バックナンバー

2017年02月号子どものココロ

父親の役割について


  その一、父親は子どもに「考えさせる」

 母親は生活のルールや世の中の決まりを子どもに教えていきます。覚えさせなくてはならないことはたくさんあります。ここで父親も一緒になって子どもに覚えさせようとすると、子どもはパパとママからいつも「覚えなさい」「忘れたらだめだぞ」とプレッシャーをかけられることになります。幼児期の子どもに最も大事なのは、考えることです。覚えたことを材料に、様々なことを考えられるようにしてあげるのが父親の役割です。子どもがトンチンカンな回答をしても、笑ったり怒ったりしないで、自分で考えたことをほめてあげましょう。人のマネではなく、自分の考えを口にすることが素晴らしいのだと父親から伝えてほしいのです。

  その二、父親は子どもを「待ってあげる」

 待つことができる子どもは、ガマンができる子です。学校の成績も良いことが多く、それは遊びを後にして学習に取り組めるからです。待つことができる子どもにするには、まずは親が子どもを待ってあげることです。でも、母親は子どもをいつも見ているので、つい、すぐに口を出してしまいます。また、母親は子どもの失敗を見たくないので「早く、早く!」と指示をしがちです。子どもを待ってあげるのは父親の役割です。子どもが自分の頭で考え、自分で決めて、行動するには時間がかかります。急かさずに見守ってあげてください。父親が子どもに「待つモデル」を示してあげるのです。身近に待つモデルがない子どもは、当然、待つことができません。では、母親は待たなくていいのでしょうか?もちろん「待てる母親」が理想ですが、子どものすべてが目に入る母親には難しいことなのです。
 

  その三、父親は母親と「違う視点でほめる」

 家庭の中に複数の物差しがあると、子どもに耐える力がつきます。たとえば、両親が同じようにテストの成績だけをほめていると、物差しは成績の良し悪しだけになってしまいます。成績が下がると、子どもは「自分はダメだ」と落ち込んでしまい、がんばる意欲がわきません。一方、母親はテストの成績が良いとほめてくれる、お父さんはスイミングをがんばるとほめてくれるといった家庭では、テストの点数が悪くても子どもは「全部ダメだ」とはならず、「スイミングは進級したから」とふんばることができます。これこそ「第二の母親」ではなく、「第一の父親」たる大きな役割です。

 

筑波大学 医学医療系教授
教育学博士 臨床心理士

徳田 克己先生


子どもたちが笑顔で生き生きと過ごせることをめざし、研究・実践に取り組む。幼稚園や保育所、子育て支援施設を回り、発達相談に応じている。
最近はディズニー映像の教育的効果や「クレヨンしんちゃん」の分析などの実践研究を手がけている。保護者を対象にした講演会や「お父さん講座」なども好評。

 

 

loading…

PR おすすめ情報

ページの先頭へ戻ります